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誠実

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 最近解散したとあるバンドのラストアルバムを聴いていたら、その中の一つになんとなく引っかかるものがあった。そのバンドは「解散します」といって解散したわけではなく、「解散しました」といって解散した。その後の動向もあまり明らかになっていないので、どういった事情での解散だったのかどうかも判らない。解散時のコメントから察するに、限界が来ていた、とも思える。

 だからだろうか。その曲を改めて聴いて(何の気なしに聴いていたのだけれど)、ある種の切実さというか、あぁこのときから何となく解散するような雰囲気はあったのだろうなと、これまた勝手な想像が働いた。

 メジャーデビュー前から、ずっと好きだったので、解散はとても残念だった。はっきり言って、ずっと売れていなかったと思う。特に特別なタイアップが組まれることもなく、スマッシュなヒットもなく、といった感じだったと思う。リリースの形態とかタイミングとか、その他諸々、やっぱちょっと大変なのかな、とも正直感じていた。でもやっぱりサウンドとか歌詞とか、トータルとして、何ていうのかな、信頼できると言ったら変なのかもしれないけれど、やっぱ信頼できるなって感じで、ずっと好きだった。

 もう亡くなってしまった人のブログやSNSをたまに見てしまうことがあって、なんだかそれに近い感覚だった。僕はいま32歳だけれど、この歳でも、すでにもう何人か同い年の人が亡くなっている。自殺、事故、病気、と原因は様々だけれど、生前の彼ら彼女らの言葉やその他諸々にも、何かしら切実なものがあって、それらを見るたびに何かしらを考える。

 そのバンドは誰かが死んだわけではないので、もしかしたら再結成でもするかもしれない。多分ないけど。

 

不誠実な人間で、ものすごい適当だし、酔っ払った勢いで人の悪口とか平気で言っちゃうし。結構どうしようもないやつなので、音楽をする時くらいは誠実なやつでいようと思ってるんです。

 


ふくろうず「ごめんね」