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相応しいBGM その2

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 十代の頃は、無邪気に愛や希望を歌う歌が嫌いだった。お前らお気楽でホント羨ましいよ、ってな具合に。表面的に飾り付けがしてあるだけで中身が空っぽな、そういう歌を喜んで聞いてる奴らも頭が空っぽのバカだと思っていた。若気の至りだ。

 そういう若さのバカさを失ったのか、ただ単に鈍感になってしまったのかは判らないけれど、この頃はそういう歌も気にならなくなった。宜しいんじゃないでしょうか、ってな具合に。人にはそれぞれ、いろんな事情がある。お気楽な歌を歌っているいように見えても実は……、的な。他人に対して安易な物語を、それこそ想像で付与するのも、どうかと思うけれど。そういう当たり前のことが判ってきたからだろうか。

 反対に、「人にはそれぞれ、いろんな事情がある」ってのを判らずに自分の狭い価値観だけであれこれ言う人をアホだと思うようになったけれど。と、自分の価値観だけで言ってみる。

『a better place to pray』の相応しいBGMその2は、映画『スワロウテイル』の劇中バンド『yen town band』が(劇中で)初めて演奏した『My Way』。フランク・シナトラのヒット曲(?)のカバー。作詞は、日本だと某ボウリングドラマの主題歌で有名(?)な、ポール・アンカさん。CDに収録されているバージョンより、劇中の、ラフなセッションの延長線上のようなバージョンの方が好きだ。

 


YEN TOWN BAND結成の序曲「My WAY」

 円が世界で一番強くなった架空の日本のお話であるこの映画の中では、日本は円都(イェンタウン)と呼ばれ、円を稼ぎに来る外国人たちを日本人たちは円盗(イェンタウン)と呼んで蔑んでいる。いろいろと突っ込みどころも多いけれど僕はこの映画が好きで、たまに見返している。

 日本人の警察官(?)が三上博史演じる中国系外国人を取り調べるときに、ボコボコに殴りながら「この円盗(イェンタウン)が!」と言ったとき、「円都(イェンタウン)はお前たちの故郷の名前だろ」と言い返すシーンが好き。

 煙草を線香代わりにする冒頭のシーンを見たときは、なんとなくウゲーと思ったけれど、これはこれで印象に残っている。

一筋の煙が昇っている様は、線香のようでもある。そういえば昔見た映画に、煙草を線香代わりにしているシーンがあった。
そう考えると、ここで行われているのは、何かの葬式なのかもしれない。何かを弔うために、みんなここで煙草に火を点け、煙を上げているのだ。でも一体、なんの葬式なのだろう。