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女性作家

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 僕が初めて読んだ小説は、児童文学的なものを除くと、山田詠美さんの「僕は勉強ができない」でした。とても面白くて、すぐに自分のお小遣いで「放課後の音符(キイノート)」を買いに行った憶えがあります。

 そもそも小説を読むことに興味を持ったのは、母親の本棚に何冊もあったからで、やはり(?)、女性作家の本が多かったです。

 他には、山本文緒さん「きらきら星をあげよう」「きっと君は泣く」、江國香織さん「落下する夕方」、吉本ばななさん「キッチン」、姫野カオルコさん「ツ、イ、ラ、ク」などなど。中学生のころは、ほとんど女性作家の作品ばかり読んでいました。

 一度、宮本輝さんの「私たちが好きだったこと」を読み始めたのですが、なんというか女性作家に比べて文章が固く、肉が焼けるときの脂の臭いみたいなものを感じて読めませんでした(その後しばらくして、読みきりました)。今でも焼肉とかすると、たまに思い出します(笑)。

 女性作家の作品には、女性特有の感性というか、そういうものがあるように思います。もしかしたら、男女差ではなく単なる個人差なのかもしれませんが、なんとなく女性作家に共通する、男性には(あまり)無い感性というものがあると思うのです。

(例外としては、舞城王太郎さんかなぁ。「やさしナリン」とか「無駄口を数える」とかは、女性的感性を感じます。覆面作家で一応性別非公表ですが)

 映画監督だと、西川美和さんとか河瀬直美さんとか、感じますね。漫画家だと、高野文子さん、市川春子さん、ヤマシタトモコさんなど。高野文子さんの「玄関」は、本当に大好きです。

 もしかしたら、ちょっと品の無い表現になってしまうかもしれないのですが、月経というか、いわゆる生理の有無なのかな、と思ったりもします(もちろんそれだけでは無いでしょうが)。というのも、現代アーティストのスプツニ子さんの作品に「生理マシーン」という、女性になりたい男性が、女装にプラスして月経の痛みと出血を再現する器具を付けるという作品があって。


スプツニ子!/Sputniko! - Menstruation Machine, Takashi's Take

 この器具、設定だけではなく実際に作ったそうで、“女性の平均月経量である80mlを5日間かけてタンクから流血し、 下腹部についた電極がリアルで鈍い生理痛を装着者に体感させる”そうです。(ちなみに、スプツニ子さんも同い年!)

 こういう、女性には生理があるから云々的な、北方謙三さんっぽい、いわゆる「オッサンの感性」的なことを書くのって、デリカシーが無いような気がするのですが(書いたけど)、女性側から作品を通して言及(?)があると、やっぱりそういうこともあるのかな、と個人的には思いました。

 なんというか言葉が難しいのですけれど、こういう女性独特の感性に、ずっと憧れ(?)があって、自分でも書いてみたのが、「ランデヴー」の中の「夏の日のサイダー」、最近だと「夏の魔物」の表題作だったりします。

 このご時世に、男が〜女が〜というのも、ナンセンスかもしれませんが、自分にはない感覚だったり視点を垣間見ると、やはり「おぉ……」となります。

 

ぼくは勉強ができない (文春文庫)

ぼくは勉強ができない (文春文庫)

 
放課後の音符(キイノート) (新潮文庫)

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きらきら星をあげよう (集英社文庫―D´ebut Selection)

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きっと君は泣く (角川文庫)

きっと君は泣く (角川文庫)

 
落下する夕方 (角川文庫)

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キッチン

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私たちが好きだったこと

私たちが好きだったこと

 
ツ、イ、ラ、ク (角川文庫)

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ランデヴー

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夏の魔物: Out of Standard

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