発売しました。
あらすじは、五年間失踪していたアラサー男が、ひょいっと故郷に帰って来て、弟夫婦に面倒を見てもらっていた自分の子供と再会。二人で東京にいるという、子供の母親に会いにいく、というものです。(本当に粗筋だな)
舞台は、90年代初頭。つまり、主人公のアラサー男は僕の親世代。現在の自分の年齢と同じ頃の親世代を主人公にお話を書いてみたい、と思い書きました。
タイトルは、スミスの曲名から。「行き場の無さ」という部分にシンクロして、このタイトルにしました。執筆中の仮タイトルは「here,there」でした。「everywhere」我付けば、ビートルズですね。
劇中にも、主人公たちが聴くレコードとして、スミスの他に、ジョイ デヴィジョン、ストーン ローゼス、ニール ヤングなどが出てきます。特に物語とは関連しませんが。(表立ってはね)
ということで、99円セールを12月中旬頃までする予定です。
推敲で読み直している時に、自分で「あ、影響うけているかもなー」と思った作品を幾つかご紹介します。
これはもう、文句なしに「今まで読んだ漫画の中で、一番好きだ」と思う作品です。しかし、あくまで自分のシュミで、という注釈付きでですが。つまり、他の人にはなかなかオススメしにくいかなー、と。地味だし、よく言えば小説的、インディ映画的な、雰囲気で、特に何が起こるわけでもない、例のヤツなのですが、視点と構図、あと良い探偵のキャラクターが出てくるところが、強いて言えばポイントでしょうか。
なかなか言葉に還元出来ない、良さを感じます。微妙な言い方ですが、これを好きな人なら、信頼出来るというか。
こちらはエッセイです。元ミュージシャンで、元本屋のオヤジで、今またミュージシャン、という方なのですが、柔らかな口調(文体)ながら、鋭い視点で物事を見据えながらも、与太っぽさや茶目っ気もあるという、これまた言葉に還元すると、稚拙な表現しか出て来ないのですが、読んでいると自然と心の新陳代謝が行われる感じ。
決して、前向きな言葉だけではないのですが、そこもいい感じです。熱すぎず、というか。そういえば、「批評家というのは、批評をしているのではなく、批評で自分を表現するものだ。文句ばかり垂れる前に、表現をしたらどうだ(要約)」ということが書かれていて、つい最近読んだ森先生のインタビューにも「批評とは、パロディ、いわゆる二次創作の一つ」と書かれていたので、シンクロニシティというかなんというか、きちんと向き合っている人たちは、自然と同じ景色が見えるものなのだな、と思いました。