水曜日のオウキボウイチロウ、第七弾はこちら。
ひょんなことから、奥さんの家族と同居することになった元バンドマン。 孤独だった彼の新しい家族との悲喜こもごも! みんなで暮らすのは楽しいけれど、この家族、やっぱりちょっと変!?
王木亡一朗のネオ家族小説! 『Our Numberd Days』です。
2016年に刊行した長編小説です。それまで書いてきたものとは趣向を変えて、章立てではなく、テレビドラマを意識して、全10話で構成しました。刊行前はnoteで週一連載していました。各話タイトルは自分の好きなバンドの曲たちで、好き半分、物語に合わせてが半分といったところでしょうか。タイトルの楽曲は表テーマ、B-SIDEとして設定した楽曲が裏テーマとしてあります。それぞれのプレイリストなんかも作ってみました。
第1話『 Smells Like Teen Spirit 』B-SIDE『All Apologize』
共にニルバーナの曲です。物語の冒頭、十代の頃にギターを始めたキッカケを思い出すシーンもあり、ティー ンスピリットがかかっているのかな、と思います。裏テーマの方は、歌い出しが「もっと良いヤツになりたかったよ」的な歌詞で、これも主人公の心情に近い気がします。
第2話『Carry That Weight』B-SIDE『Octopus Garden』
ともにビートルズ の曲です。「君はこの重荷を背負って人生を歩んでいくんだ」ということで、確か実際に主人公が荷物を持たされるシーンを書きました。裏テーマはまだ昔のことを引きずっていることの匂わせというか、日陰だけれど気楽なタコの庭に行きたい、というのをどこかあっけらかんと歌うこの曲が合っていると思いました。
第3話『She’s Thunderstorms』B-SIDE『America』
タイトル曲はアークティックモンキーズ 。B-SIDEはレイザーライト の曲ですね。家族の中で唯一、十代である三女の子が巻き起こす騒動がメインのお話なのでShe’s Thunderstormsとしました。裏テーマのAmericaはイギリスのバンドの曲ですが、アメリ カへの愛憎を歌ったこの曲が、将来への希望と不安を感じている十代の心情と近いような気がして採用しました。
第4話『Don’t Look Back In Anger』B-SIDE『Hello』
共にオアシスの曲。最近、再結成が発表されましたね。僕が中三のときにオアシスを知ったきっかけもこのドンルクです。高校生の時は多分、当時出ていた曲の“すべて”をギターでコピーしました。今でも何曲かは弾けると思います。表テーマはタイトルからの連想で、主人公の過去の恋愛(?)の話に。裏テーマはタイトル通り、何かが「ハロー」します。
第5話『Further Complications』B-SIDE『Common People』
ジャーヴィス・コッカー の曲と彼が組んでいたバンド、パルプの曲から。further→fartherというダジャレみたいなもんで父親登場回ですね。B-SIDEは世の中、いろんな人がいるよね、ということでコモンピープルとなりました。
第6話『Killer Cars』B-SIDE『Airbag』
ともにレディオヘッド の曲から。車にまつわるお話です。湾岸ミッドナイト からの影響が色濃く出ている回でもあります笑。たしかここらへんから段々と過去に何があったのかが語られていくはずです。「an airbag saved my life」だったら良かったのにね、というお話でもありますかね。
第7話『Spit On A Stranger』B-SIDE『…And Carrot Rope』
ともにペイブメント の曲から。歌詞が独特なので、他と比べて直接的な引用は少ないですが、メロディと歌詞の雰囲気を拝借しています。これはもう好きだから入れた、という感じですね。それでどうして、ああいうお話になったのかは今となっては不明です。
第8話『The Queen Is Dead』B-SIDE『Please, Please, Please Let Me Get What I Want』
ともにザ・スミス の曲からです。タイトルと展開が見事にマッチしている回ですね笑。ほぼそれだけです。主人公が終盤にピアノで弾き語りする曲の雰囲気が、このB-SIDEの曲っぽくあれ、と思いながら書いていた記憶があります。
第9話『Bitter Sweet Symphony』B-SIDE『Drugs Don't Work』
UK最後のロックンローラー 、リチャード・アシュクロフト率いるバンド、ザ・ヴァーヴの曲から。人生は甘く苦いシンフォニーで、痛み止めは効かない笑、という回です。『Bitter Sweet Symphony』のPVを見てもらうと判るのですが、八話の最後、朝の駅までの道のりを 逆走して人々とすれ違うシーンは、このPVを連想して書いました。
第10話『I Am The Resurrection』B-SIDE『Bye Bye Bad Man』
どちらもストーンローゼスです。主人公は復活して、「わるいやつ」とサヨナラします。第一話の「All apologize」の「もっと良いヤツになりたかったよ」の一旦の答えとして、『Bye Bye Bad Man』するワケですね。
主題歌『P assing A fternoon』
iron&wineのこの曲が全体のテーマになっています。ゆったりと淡々とした曲でラストのピアノが切なくて良い感じですね。ぜひ聴いてみてください。
あといまだから書きますが、Baby Bulletの楽曲タイトルは多くがDr.ハウスという海外テレビドラマの各話タイトルからきています。まぁ、『スワン・ミュージック』というのはオアシスのインスト曲にも『スワン・ソング』というのがあるので良いのですが、インフォームドコンセント のことを歌うロックバンドってなんだよ笑! と当時も思いましたが、車で事故ってエアバッグ に命を助けられた、と歌っているバンドもいるので良いとしましょう。イギリスのロックバンドは変な奴が多いです。でも、だから好き。
VIDEO www.youtube.com
流れている曲はBaby Bulletの『ブエノスアイレス 』のイントロです。
無料キャンペーンは10/7の17時ごろまでとなっています。