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相応しいBGM その1

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 新作短編『a better place to pray』を本日9/22に発売しました。noteに掲載した掌編『レモン/グラス』も同時収録です。

 表題作の短編は後日刊行する短編集『ガールフレンド』にも収録されます。先行シングル的なやつですね。

 タイトルはオアシスの名曲『Dont' Look Back In Anger』から。お前この曲好きだな、と思われるかもしれません。去年出した『Our Numbered Days』の第4話にも使いました(意図は全く違いますが)。

 聞いてもらえば判ると思いますが、イントロは完全にジョン・レノンの『イマジン』の丸パクリ引用ですね(中心メンバーのギャラガー兄弟は熱烈なビートルズファンです)。ファンの間でも通称『イマジンイントロ』などと呼ばれているとかいないとか。

 アリアナ・グランデのライブ会場で起きたテロ事件の追悼の場でも(自然発生的に)歌われたくらい、イギリスの人たちに第二の国歌のように親しまれているようです。

 


Oasis - Don’t Look Back In Anger

 洋楽を聴くようになったのは中学三年生の頃で、きっかけは映画『アルマゲドン』の主題歌目当てで従兄弟から借りたオムニバスアルバム『MAX BEST』でした。そのCDに入っていたこの曲を初めて聴いた時の衝撃(?)は今でも覚えています。それまでJ-POPしか聴いたことのなかった僕には、メロディもサウンドも初めて聞く種類の音楽に聞こえました。そしてなにより、冒頭の歌詞にも感銘を覚えました。

Slip inside the eye of your mind

Don't you know you might find

A better place to pray? 

君の心の瞳に滑り込めば 

もっと祈りにふさわしい場所が

見つかるかもしれないのに

  そのCDの歌詞カードには、確かに上記のように記載されていたと思います。けれど、本来の歌詞はprayではなくplayで、ネットで検索しても、なんなら自分の持っている輸入盤の歌詞カードもplayになっている。誤植だったのです。でも、『祈りにふさわしい場所』という言葉は、それ以来ずっと僕の中に残っています。

 

だから、これはきっと祈りなのだ。でも、もっと相応しい場所があるようにも思う。何でも良い、何処でも良い。けれど、もっと。もっと、相応しい場所が何処かにあるはずなのだ。
一人、また一人と、火を消して立ち去っていく。丁寧に消す者もいれば、乱雑に放り投げる者もいる。みんなどこかへ行く。きっと、目的地はあるのだろう。でも、あてもなく消えていく煙のようでもあった。どこへも行けないから、祈りに相応しい場所が、見つからないのかもしれない。

(本文より)