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Category of Happiness

幸せのカテゴリー

何もしていない

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 最近何もしていない。

 休日もダラダラと過ごす。最近はなにかとハードで、ほとほと疲れ果ててしまった。

 だから何もしていない。

 

 何もしていないのは、結構気分が良い。

 

 何もしていないから、体力が蓄積されていくのが自分でわかる。この二日で、すっかり体調が良くなってしまった。眠るのにも疲れてしまって、起き抜けにアイスコーヒーを飲み、近所を軽く散歩する。血が巡り、頭が冴えてきて、少しだけ本を読む。ご飯を食べる。少し眠くなるので、眠る。

 

 夕方ごろ目を覚ます。さすがに眠りすぎたのか、頭がうっすらと痛い。またコーヒーを飲む。目薬をさす。目が覚めてくる。最近は、プロットというか、小説のアイディアを書き留めるときに、紙のノートと鉛筆を使う。HBとBはどっちが硬いんだっけな、と書き比べる。よく判らない。

 

 先々週は、高校の時の友人Aが、新潟から遊びに来た。東京の本社で研修があったという。同じく高校時代の友人Tが神楽坂に店を開いたというので、 二人で遊びに行った。夕方にはおいとまする。出来たばかりのバスターミナルが見たいというので、新宿へ。「ウォーリーを探せ!」のウォーリーの格好をした人が、ユーミンの「やさしさに包まれたなら」を歌って いた。ストリートミュージシャンだ。声質も良く、ギターも上手だ。しばらく二人でその演奏を聴いていると、通りすがりの女性二人が「上手だけど、あのキャラで売れたら、それはそれで大変そうだよね」と話していた。僕は「そうだよな」と「余計なお世話だろ」が半々。友人Aは「早く飲みにこうぜ」と言った。

 キリンシティで少しだけ飲んだ。帰り際、友人Aが「そういえば、あいつのこと知ってるか?」と聞いてきた。あいつとは、これまた高校時代の友人Kのことだ。

「なんかあったの?」

「ガンになったらしい」

 友人Tとは、高校の三年間同じクラスで仲が良かった。昨年には子供も生まれている。

「まぁ、お前も仕事忙しいかもしれないけど、一緒にお見舞いにいこうぜ」

「あぁ、うん」

 少しだけ、引っかかった。“お前も仕事忙しいかもしれないけれど”とは、どういう意味だろう。疲れているように見えただろうか。お見舞いには、まだ行けていない。

 

 今年度から、オフィスが新宿になった。毎朝毎晩、西口を通る。

 

 広場では、毎朝毎晩、政治家や活動家の演説が繰り広げられている。都知事のこと、消費税のこと、少子化のこと、原発のこと、アフリカに小学校を建てていること、震災募金、アグネス・チャン、多分これからは、参院選のこと。

 そのすぐ隣には、喫煙所があって、大人たちがタバコを吸っている。わりと広めの場所のはずだけれど、人が多すぎて、入りきっていない。それでも、みんなお構いなしに吸っている。当然、吸殻だらけだ。都なのか区なのか、はたまた民間なのかは判らないが、時折清掃している人たちもいる。

 

 毎日、その光景を見る。何もせずに、通り過ぎる。

 

 今朝も、新宿に向かう。雨だから、広場では何もやっていないだろう。

 電車が、到着のアナウンスを告げる。

「まもなく、新宿です。山手線、埼京線湘南新宿ライン小田急線、京王線、地下鉄丸ノ内線都営地下鉄新宿線都営地下鉄大江戸線は、お乗り換えです」

 改めて聞くと、その路線の多さに驚く。

 どこへでも行けるじゃないか、と思った。