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書くためのモチベーション

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 8/30に短編集「夏の魔物」をリリースした。

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 翌日である9/1から、プロット未満のあらすじと登場人物リストを二作分つくり、片方を現在書いている。今のところ15000字。中長編のつもりなので、8〜10万字が目安だ。ただ、書いてみないと細かいところが決められないのであくまで目安。

 いつも大体「プロット未満のあらすじと登場人物リスト」を作り、「なんとなくのラスト」が見えたら書き始めている。「なんとなくのラスト」が決まらなくても、書き始めたら見えてくることもある。一コ前に出した「ティアドロップ」は、途中半年くらい止まったが、他の作品を書いていたからだし、ラストも決まっていたので書けた。すんなりいかなかったのは、自分の中で安易に物語を終わらせることが出来なかった(許せなかった)からだ。

 さて、書くためのモチベーションだが、その前にモチベーションの意味を再確認してみる。

 モチベーション:人が何かをする際の動機づけや目的意識。

 なるほど。最近では、たんに「やる気」みたいなニュアンスで使われていることも多いが、的外れではない。

 さて、モチベーションである。王木亡一朗はインディ作家なので、当然「お金」の為に書くことはない。こう書くと「高潔」みたいな感じもするが、たんにアマチュアなだけだ。依頼もないし、原稿料みたいなものも発生しない。電子書籍として売れればお金は入るが、今のところ微々たる額だ。その額のために書こう、ということはあり得ない。

 また、締切もない。唯一の例外は、現状では「月刊群雛」に参加したときだが、これも自分の意志で参加するのであり、依頼されたり、押し付けられるような類いのものではない。余談だが、某先生は「締切があった方が尻に火が着くから書ける」というような心構えを「大変立派なプロ根性」だと仰っていた。ユーモアがあって僕は好きだ。

 さて、僕の場合は、「お金」や「締切」はモチベーションにはならない。では、なにをもって書いているのか。非常に曖昧で抽象的だが、整理してみよう。

 

・衝動

 仰々しい言葉だが、言い換えれば「思いつき」だ。なにかアイディアが浮かんで、これなら書けそう、と思う。これは日々、現れては消えていく。ここから掘り下げて、前述の「プロット未満のあらすじと登場人物リスト」と「なんとなくのラスト」が決まれば、書き始められるだろう。ただ、これだけではちょっと足りない。

 

・挑戦

 うーん、仰々しくて恥ずかしい。何に対しての挑戦かと言えば、主に技術面と言えるだろうか。今まで書いたことのない文体やストーリー、またはジャンル。今書いている話も、自分にとっては未経験の「文体」に対する挑戦と言えなくもない。ちなみに「夏の魔物」も、そんな感じの挑戦をしているが、「弾けすぎ」とも言われた。僕としては、「以前の自分」とは違うと認識してもらえたという解釈をしているので、狙い通りと言えば狙い通りだ。自分自身の二番煎じほどサムいものはない。

 

 ここまでは「書き始める」ためのモチベーションだ。では、「書き終える」ためのモチベーションとは、なんだろうか。前述の通り、「お金」や「締切」は無い。

 

・結末

 「なんとなくのラスト」を先に考えてあるのだから、矛盾しているようだが、詳細なプロットは作らないので、書いているうちに方向性が変わることもある。自分が書いている話がいったいどこに落ち着くのか。それを知りたいという欲求が最後まで書かせている。自分で考え、書きながら、読んでいるという状態に近いかもしれない。

 

・気持ちの問題

 単純に最後まで書かないと気持ちが悪い。ただ、これは今の自分に書ける物語の場合のみで、実力不足で頓挫したものもいくつかある。いずれ書くかもしれないが、優先順位は低い。

 

・成長

 いくら書いても「エンドマーク」を打たないと、書く力は伸びないらしい。自分で検証したことはないが、なんとなく肌感覚では理解出来る。確かに自分でも、どう始めるかよりも、どう終わらせるかを考えているときのほうがエネルギーを使う気がする。前述の頓挫した物語の一つは、いつまでも話が続いてしまって終わらせることが出来なかった。あらかじめ考えていたラストにどうやっても結びつかなかった(強引に終わらせることも出来たが)。締切的なものがあれば、ギリギリまで粘って「グダグダ、ぽん!」みたいなことも出来たかもしれない。(大変立派なプロ根性だ!)

 

 以上が、あくまで「書くため」のモチベーションだ。あまり優等生ぶりたくもないが、推敲の段階では、俗にいう「読者に向けて」の視点や考えが入る。機会があれば、そこらへんのことも書いてみよう。

 

 おわり。

 

夏の魔物: Out of Standard

夏の魔物: Out of Standard