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電磁波の夏

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 僕の先輩Iさんは、ギターが上手でお酒が好きで、話の面白い文学青年だった。何を隠そう、僕に原田宗典さんの小説を教えてくれたのは、この人だ。

 そんなIさんだが、実は特異体質(?)なのだ。

 特異体質といっても、からかわれているだけで、実際はなんてこと無いのだけれど。 この人は、触っただけで電化製品を壊すプロなのだ。

 周りの人たちには、「Iさんからは、謎の電磁波が出ている」とまで言われている。

 そんな非科学的な……、と思うかもしれないが、買って数日のパソコンを壊す、直したと思ったらモニターに謎の縦スジが入る、真空管を飛ばす、その他いろいろと枚挙に暇がない。

 そういえば、ミシェル・ゴンドリーの映画に似たような人が出てきたな、と思い出す。経緯は忘れたけれど、発電所に侵入して感電してしまい、体中から電磁波を出す電磁波人間になってしまって、友達が働いているレンタルビデオ店のVHSを全部ダメにしてしまうジャック・ブラック役の人。(ん?)

 

 反対に、僕はと言うと、電化製品をなんでか知らず直してしまうプロだ(笑)

 自分でも不思議なのだけれど、壊れたテレビやビデオデッキを直したのは一度や二度じゃない。といっても、小中学生の頃で、アナログだし、直したと言ってもダメ元でフタを開けてみて、よく判んなくて埃を取って元に戻しただけだけれど。それでも、なぜか直る。

 愛の力なんだろうか(笑)

 

 この前出した短編集「夏の魔物」に収録した「TVゴースト」を書いているとき、ふとそんなことを思い出した。(宣伝でした)

「TVゴースト」

「先生」の葬式で会ったギャル風の女性と、ひょんなことから深夜のドライブへ。
 どこへ向かうかも判らない中、彼女は自分のことを話し始める。

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 ちなみにタイトルと表題作は、まんまスピッツの初期の名曲「夏の魔物」から。小島麻由美さんの素晴らしいカバーにも影響を受けているので、主人公は女性です。

 そうそう、セルフパブリッシング作家のヤマダマコトさんも、同じ曲をテーマに作品を出版されています。

団地のナナコさん (新潟文楽工房)

団地のナナコさん (新潟文楽工房)

 

 

 拝読させて頂きましたが、良い作品でした。

 ジュブナイルなお話、だと思っていると……! という具合にヤラレる寓話です。

 

 さっそく感想も頂きました。ありがとうございます。

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ランディングページに、刊行に際してのちょっとした文章を書いています。

夏の魔物 Out of Standard | Official Website

夏の魔物: Out of Standard

夏の魔物: Out of Standard

 

 koboでも出ています。

books.rakuten.co.jp