電磁波の夏
僕の先輩Iさんは、ギターが上手でお酒が好きで、話の面白い文学青年だった。何を隠そう、僕に原田宗典さんの小説を教えてくれたのは、この人だ。
そんなIさんだが、実は特異体質(?)なのだ。
特異体質といっても、からかわれているだけで、実際はなんてこと無いのだけれど。 この人は、触っただけで電化製品を壊すプロなのだ。
周りの人たちには、「Iさんからは、謎の電磁波が出ている」とまで言われている。
そんな非科学的な……、と思うかもしれないが、買って数日のパソコンを壊す、直したと思ったらモニターに謎の縦スジが入る、真空管を飛ばす、その他いろいろと枚挙に暇がない。
そういえば、ミシェル・ゴンドリーの映画に似たような人が出てきたな、と思い出す。経緯は忘れたけれど、発電所に侵入して感電してしまい、体中から電磁波を出す電磁波人間になってしまって、友達が働いているレンタルビデオ店のVHSを全部ダメにしてしまうジャック・ブラック役の人。(ん?)
反対に、僕はと言うと、電化製品をなんでか知らず直してしまうプロだ(笑)
自分でも不思議なのだけれど、壊れたテレビやビデオデッキを直したのは一度や二度じゃない。といっても、小中学生の頃で、アナログだし、直したと言ってもダメ元でフタを開けてみて、よく判んなくて埃を取って元に戻しただけだけれど。それでも、なぜか直る。
バラして洗浄か、それでいいんだよ。それで十分だ。 そうだ。 そういうふうに走ってやってくれ。 もっとアクセルをふんで、もっと思いきり、もっと、もっと・・・ もっとそいつを愛してやってくれ - 北見
— 湾岸ミッドナイトbot (@wan_night_bot) 2014, 12月 13
愛の力なんだろうか(笑)
この前出した短編集「夏の魔物」に収録した「TVゴースト」を書いているとき、ふとそんなことを思い出した。(宣伝でした)
「TVゴースト」
「先生」の葬式で会ったギャル風の女性と、ひょんなことから深夜のドライブへ。
どこへ向かうかも判らない中、彼女は自分のことを話し始める。
ちなみにタイトルと表題作は、まんまスピッツの初期の名曲「夏の魔物」から。小島麻由美さんの素晴らしいカバーにも影響を受けているので、主人公は女性です。
そうそう、セルフパブリッシング作家のヤマダマコトさんも、同じ曲をテーマに作品を出版されています。
同郷の人が同じ楽曲をテーマに作品リリースか。不思議な感じ。 http://t.co/XfNvXDdLgu
— 新潟文楽工房ヤマダ (@niigatabungaku) 2015, 8月 17
拝読させて頂きましたが、良い作品でした。
ジュブナイルなお話、だと思っていると……! という具合にヤラレる寓話です。
さっそく感想も頂きました。ありがとうございます。
ランディングページに、刊行に際してのちょっとした文章を書いています。
夏の魔物 Out of Standard | Official Website
koboでも出ています。