セルフインタビュー。新刊「ティアドロップ」前編
7/25に新刊「ティアドロップ」を発表しました。
セルフパブリッシングなので、インタビューもセルフです(笑)
名前がないのも可哀想なので、とりあえず王木亡一朗さんの没になったペンネーム「那須野 穣(ナスノ ミノル)」をインタビュアーとしてすすめます。細かいキャラ設定はまだ固まっていないので、ブレブレなのはご了承下さい(笑)
では、どうぞ!
「ここは精神科病棟。あなたは、自殺未遂をして、ここに運ばれてきました」
十四歳の少年は精神病院に入院する。反発し退院を訴えるが、担当医は長期の療養を勧める。周囲との衝突を繰り返しながら、少年は他の入院患者た ちと次第に交流し、とある少女が昔聴いたという、ある曲を探し始める。そして、自身と向き合い、失われた記憶、自殺未遂の理由を思い出そうとする。そんな 精神病棟での日々を過ごしながら、心を開き始め、周囲とも良い関係を築くのだが……。
──さて、始めましょうか。
よろしくお願いします。
──お互い初めてだから、緊張するね(笑)。まぁ、まずタイトルの由来と言うか、決め手から。「ティアドロップ」って、どういう意味なの?
意味は、『涙のしずく』ですかね。そのまんまというか。昔、なんかのアクセサリーの商品説明?みたいなので、ティアドロップ型のアクセサリーには、悲しみを封じ込める作用がある、ってのを読んだことがあって。あと、ギターのピックにも、ティアドロップって形というか種類があるから、良いかなと。
──なるほどね。意外にもギター小説だった、みたいな感想もありましたね。
はい。澤俊之さんから、感想頂きました。いやぁ、本家ギター小説を書かれている方から、そう言って頂けたのは恐縮です。得意分野ってほどではないんですけれど、ギターとか音楽に関しては、そこそこ知っているので、書きやすいですね。
──取材もいらないしね(笑)
そうなんです(笑)。取材が嫌いってことではなくて、知らないこと書くときは、一応調べたり、関連書籍読んだりもするんですけど。ただ、そうやって調べたことと、自分の中に既にあるものって、ちょっと違うじゃないですか。練度というか。
──なるほどね。ギターとかバンドとか、そういうの結構書いているよね。
でも、「ブッダブッダブッダ!!!!!」と「BABY BLUE」くらいじゃないですかね、全面に押し出しているのは。あんまりそこ(音楽)ばっかり押し出す気も、実はなくて。
──そうなの?
そう。知ってることだから書きやすいし、リアリティみたいなのも、その分野に関しては自信はあるんですよ。ただ、そればっかりってのも。せっかく小説(フィクション)なんだしっていうか。
──精神病院を舞台にしたことに関しては?
あぁ、僕自身はないんですけど、友人というか知り合いにそういう経験をした人がいて。あとはネットで調べたり、そういう小説とか映画も観たりはしました。ただ、細かいところとかは、14歳の少年の一人称の小説なので、あえて書かなかったり、ってのはあります。
──たとえば?
たとえば……、 入院の種類とか。入院にもいろいろ種類があるんですよね。任意入院、医療保護入院、応急入院、措置入院、緊急措置入院とか。そういう部分を細かく書いてある作品もあったけれど、僕の場合はいいかなって(笑)。もっと書きたい部分があったし。
──14歳の少年が主人公だけど、けっこう不愉快な少年だよね(笑)
えーっと……(笑)。いや、そういう風に書いたから、そう感じてもらうのは良いんですけど(笑)。でも、14歳ですよ? 生意気に決まってるじゃないですか。ただ、成長を描きたいからスタートの状態を低くしてある、ってわけでもなくて。まぁ、そういう意図がゼロだともいえないんだけど。でも、なんていうかな。ある意味正直には書いたのかな、って。
──正直?
そう。受け答え一つとっても、普通なら、とか常識では、こういう返答だけど、っていうのがあると思うんですけど、そうじゃないっていうか。素直っていったら良く言い過ぎだけど、知らぬ間に変なところに連れて来られて、子供だったら尚更不安だと思うんです。だからこう、怒りとかもそのまま言葉にしちゃう、というか。
──自分の心に正直にってこと?
うーん、ある意味そうです。ただ、コントロール出来ていないというか。
──あぁ、なるほどね。てっきり王木くんの素が、あんなんだと思っちゃったよ(笑)
いやいや、それは無いですよ(笑)。というか、小説の登場人物と作者は別物ですから。
──自分を投影したりはしない?
ちょっとはあるかもしれないですけれど、100%シンクロってのはないですかね。というより、何人かにちょっとずつというか。あと、自分とは正反対の人間とかも書くわけで。それは作品によって、主人公側だったり、脇役側だったりします。
(続く)
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後半では、予行編や表紙に関してのお話を聞こうと思います。