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僕の神様、第一回「原田宗典」

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 先日、ふとこんなことを思ったのでツイートしました。

 

 ということで、つらつらと自由に、僕の神様のことを書いていこうかなと。

 さて、第一回は原田宗典さんです。

 原田宗典 - Wikipedia

 第8回すばる文学賞を受賞しデビュー。受賞作の「おまえと暮らせない」は短編集で、「海へ行こう、と男は」「ポール・ニザンを残して」「テーブルの上の過去」の三作。この三つの短編は、上記の「優しくって少しばか」に含まれています。

 まぁ、詳しいことはWikipediaをみてくださいw

 

 僕が原田さんの作品を知ったのは、とある先輩から「優しくって〜」と「十九、二十(じゅうく、はたち)」を借りたからです。特に「十九、二十」は、実際に僕が十九歳の時に、貸してもらったので、凄く印象に残っています。

十九、二十

十九、二十

 

僕は今十九歳で、あと数週間で二十歳になる―。父が借金を作った。ガールフレンドにはフラれた。せめて帰省の電車賃だけでも稼ごうとバイトを探したが、見 つかったのはエロ本専門の出版社だった。岡山から東京に出てきて暮らす大学生、山崎の十代最後の夏は実にさえない夏だった。大人の入口で父の挫折を目に し、とまどう青年の宙ぶらりんで曖昧な時を描く青春小説。 

 この小説を19歳の時に読めて、本当に良かったと思います。主人公の親父がダメダメでね……、笑えるのですが切実というか。んー、あらためて読み返すと本当に色々と影響を受けていて恥ずかしい(笑)。

 主人公のバイト先の社長、元戦場カメラマンで右手人差し指の先をゲリラに切り落とされた人が出てくるんですが、「地雷を踏んだらサヨウナラ」の人がモデルらしいです。って、不確かな情報ですが、貸してくれた先輩がそう言っていました。(だから正誤はどっちでも良い)

優しくって少し ばか (集英社文庫)

優しくって少し ばか (集英社文庫)

 

  こちらは短編集です。表題作の他、5つの短編が収録されています。オススメは、表題作と「雑司ヶ谷へ」「ポール・ニザンを残して」。とくに「ポール・ニザンを残して」は、凄いです……! 何が凄いと言われるとネタバレもあるので難しいですが、短編としての切れ味というか。完璧なんですよね。

 僕は本を読むときは基本的に心の声で音読(通じます?)しながら文章を味わい、映像を思い浮かべて心の瞳に焼き付けるのですが、味わいもカットも完璧なんです。そして、ラスト。あわ〜、怖ぇ〜、うひょ〜となりますコンニャロー!(笑)

 軽薄で頼りなくて、でも愛おしい人たち。

 一昨年くらいに色々ありましたが(笑)、最近新作を上梓されたそうです。「メメント・モリ」という小説なのかな? 新潮にのる?のかな? 楽しみです。

 

 おわり。

 

 

しょうがない人 (集英社文庫)

しょうがない人 (集英社文庫)

 

  表題作の、父親への気持ちが裏返る瞬間が大好きです。

十七歳だった! (集英社文庫)

十七歳だった! (集英社文庫)

 

  エッセイ。内容も良いですが、あとがきでいっそう好きになりました。

 

 余談ですが、以前ネットかツイッターで、「舞城王太郎の正体は原田宗典説」ってのを見かけました。さすがにあり得ないですが、ただちょっとわかるなー、と。

 

 ほんとにおわり。