KDP本をいくつか読んでみましたシーズン1第十一回「耳と尻尾の狭間にて」
これまでに書いてきたついのべ(ツイッター小説のこと)を、一冊の同人誌としてまとめました。
140文字の連なりが織りなすついのべの楽しさを感じていただけるよう、自由でやわらかい 雰囲気で編集してあります。ぜひこの機会にお楽しみください。:)
ツイッターのハッシュタグ「 #twnovel 」をご覧いただければ、そこで日夜活発に行われている ついのべという創作を最もシンプルにご堪能いただけると思います。数多の創作家が参加して、 それぞれの特徴ある世界観を表現する、非常に柔軟で、躍動感のある界隈となります。僕の 作品は、どちらかといえば小説というよりも、叙情詩的な、自らの思いの丈を力強く吐き出した ような、詩歌に近い内容となります。さながら、犬が吠えているかのごとく。
耳と尻尾の狭間にて。そこで日々思いついたことを自由自在についのべとして書き綴るという わけです。たったの140文字、それがひとつの単位であるからこそ成しえるリアルタイムさが あります。どんなに短編といっても、通常の小説ではこうはいきません。そう考えると古来から 続く短歌や俳句といった表現と、随筆やエッセイといった現代的な表現の長所をいいとこ取り したようなものかもしれませんね。この作品を読んでいいなと思ったら、ぜひあなたもついのべ にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。そんな、新しい出会いの一助ともなれば幸いです。
価格は、昨今の個人出版界隈の事情を最大限考慮して決定しました。ご了承いただければ 幸いです。
かわいらしい猫の顔の表紙は、ツイッターで大人気のアルファツイッタラー、わさらーさんに 描いていただきました。非常に魅力ある、楽しい雰囲気に仕上がったと思います!
『耳と尻尾の狭間にて』を読み終えました。私の評価は星4つです。 http://t.co/kvm3aJSZME
— 王木 亡一朗 (@OUKI_Bouichirou) 2015, 3月 14
犬吠埼一介さんの「耳と尻尾の狭間にて」を読み終えました。「ツイッターノベル」というジャンルの作品です。つまり140字の物語。ショートショートよりも更に短い。光と音の創作物で言えば、短編映画やCF(コマーシャル・フィルム)よりも短い、言うなれば花火のような作品。開いては消えていく。
— 王木 亡一朗 (@OUKI_Bouichirou) 2015, 3月 14
パッと現れては、スッと消え、また次の物語が始まる。でも、ただ通り過ぎていくだけではなくて、目を閉じると、残像がゆらゆらと揺れるような、そんな余韻があります。また、文頭もしくは文末に現れる強烈な文章や単語に驚かされる様は、間近で見る花火の音のよう。収録作のバリエーションもカラフル。
— 王木 亡一朗 (@OUKI_Bouichirou) 2015, 3月 14
デザインの語源は「削る」だと、何かで読んだことがあります。そういう意味では、すごくデザインされた言葉たち。余計な飾りつけのない言葉たち。テーマは複数あるように読めましたが、「喪失感」のようなものをフィーチャーした作品に、個人的には惹かれました。余計なものが無いから、ダイレクトに。
— 王木 亡一朗 (@OUKI_Bouichirou) 2015, 3月 14
冒頭の「貨幣経済の終焉」から、「これは……!」と惹かれましたが、他には「なくしてしまった文字の話」「人間とその社会を機械化することは」「目の前に道があったので」「伝えたい言葉があった」「生きるのに不要なものを捨てようと」などで始まるついのべが僕のキンドルのハイライトに残っている。
— 王木 亡一朗 (@OUKI_Bouichirou) 2015, 3月 14
花火と花火の合間、その静けさのようなものが一つ一つのついのべの間にあるような気がした。収録順は、出来た順なのだろうか。おそらく違うと思われる。なぜなら、「静けさのような間」は、作者の意図によって生み出されているような気がしてならないからだ。その間が、感情移入のスキマを生んでいる。
— 王木 亡一朗 (@OUKI_Bouichirou) 2015, 3月 14
例えば、好きな歌に出会うと、自然と口ずさんでしまう。一日中頭の中に流れていることだってある。ちゃんと歌いたくなって、歌詞カードを見る。譜割りを覚える。無意識にも歌えるようになる。こんな風に、自分の一部にしていく。文章も似ている。一字一句、噛み締める。体が歌と詩で出来ているような。
— 王木 亡一朗 (@OUKI_Bouichirou) 2015, 3月 14
「字数と行間の狭間」という言葉が浮かんだ。ついのべには改行はないけれど、言葉と句読点のリズム感が、詩とはまた違った風情を感じさせる。これって何気に発明じゃないか、とも思った。制約が生むダイナミズムみたいな。難しいようで簡単で、簡単なようで難しい。そんな140字たち。オススメです。
— 王木 亡一朗 (@OUKI_Bouichirou) 2015, 3月 14