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「火花」を読んでみました。

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 さて、話題のピース又吉さんの「火花」を読みました。面白かったです。

 又吉さんは、本屋さんでよく見かける(ポップとかで)芸人さん、という印象でした。なので、読書好きな人なんだろうなー、と。正直、「KAGEROU」みたいな感じかなー、と思っていたくらい性格の悪い僕ですが、数ページ読んで、あぁ、これは良い。信用出来る、と思いました。

 序盤の「地獄! 地獄! 地獄!」のあたりで、ちゃんと最後まで読み切ろう、と思いました。なんだか、興味本位で手に取った自分が恥ずかしい。終盤の「死ね! 死ね! 死ね!」の部分では、ちょっと泣きそうになりましたね。面白かった。

 映画でも、音楽でも、小説でも、漫才でもなんでも、ストイックな人ってのはいて。そういう人への憧れと、でも同じことの出来ないもどかしさが、切ないのですが、主人公の、というよりは、作者の、登場人物たちへの眼差しが、とても暖かくて、読後感が良いです。

 若手漫才師の先輩後輩が、主な登場人物なので、会話において「漫才論」を語ったりするシーンが、多いのですが、漫才に限らず創作をする人は、読んでみても良いのではないのでしょうか。僕の考え方とは少し違いますが、興味深い意見(?)が載っています。特に、批評についてとか、ネットへの書き込み?についての部分は、なるほどそういう考え方もあるかー、と感心しました。

 

 そして、下積み時代のエピソードって、どこも似たり寄ったりなんだな、と思いました。良くも悪くも(笑) 。バンドマンも同じくらいクソですからね!w いや、バンドマンの方がクソかもしれません! いや、どっちもクソですね! みんな、うんこを投げ合っています。糞まみれです。そして、その糞を黄金だと思っているから質が悪い。

 

 文体は全然違いますが、オーケンさんの小説に少し似た空気感かもしれません。

 オススメです。

 

文學界 2015年 2月号 (文学界)

文學界 2015年 2月号 (文学界)

 

 

火花

火花