KDP本をいくつか読んでみましたシーズン1第五回「ギムレットには早すぎて」
■あらすじ■
東京都立川市・多摩川の河川敷で高校生の他殺体が発見された。
非の打ち所のない優等生だった被害者の隠された素顔とは?
“お父さん刑事”八木忠政シリーズの第1作目。
事件と愛娘、大切なのはどっちだ!
■内容■
現代日本を舞台にした警察小説です。
手軽に楽しめる社会派ミステリーを目指しています。
多分、ハードボイルドな作品です。タイトルも、某探偵小説の有名な台詞のオマージュらしいです(僕は読んだこと無いのでわかりません)。ですが、なんとなく雰囲気は伝わってきます。これまた随分と偏った感性だとは思うのですが、「ハードボイルド」と聞いて、真っ先にイメージするのは北方謙三先生。「男はハードボイルド」というまんまな御著書も出されています。「金、車、女、ジャズ(ヒップホップ)、銃、薬、タバコ」などのワードを散りばめれば、ある種の雰囲気は演出できそうですが、この作品は、そこに+αというか、もう一歩奥に、ちゃんとテーマがあります。
余談ですが、購入の決めての一つに主人公の名前、というか字面があります。「八木忠政」って、なんか凄い。鬼の平八郎の「八!」となぜか脳内リンクしました。(安直な発想ですみません)すごく固そうな名前! ここもハードボイルド?以上、余談でした。
あらすじにもある通り、社会派ミステリーになっていますが、説教臭くもなく、妙なケレン味もないので、本当に手軽に楽しめます。中編くらいのボリュームで、テレビドラマ1話分といった感じ。謎が解明される過程がちょっとハウス先生っぽくて、好きです。
シリーズ物らしいので、二作目も読んでみようと思います。
警察モノ、探偵モノ、などの話で面白いな、と思うのは、たとえば「正義と悪」という概念と「善人と悪人」という概念が一致していない場合があるということです。悪人だけど正義側にいたり、善人故に悪側にいたり。この作品の主人公が、どうなっていくのか楽しみです。