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KDP本をいくつか読んでみましたシーズン1第一回「アイデアル・ワールド」

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アイデアル・ワールド

アイデアル・ワールド

 

 恋した娘は、科学が生んだ『理想の人間』。でも、僕にはチャリが一台あるだけだった…。SFボーイミーツガール長編。

 

 さて、表紙に惹かれて購入したこちらの本。まず、結論から書くと、面白かった!

 予備知識ゼロで購入しましたが、どんどんお話に引き込まれました。きっと展開が上手なのでしょう。緩急がきちんとついていて、ダレませんでした。文章も面白かったし、主人公やヒロインのキャラクターもすっと入ってきました。

 あらすじが簡潔ですが、「SFボーイミーツガール長編」とあるように、ストーリーは王道です。音楽、映画でもそうですが、数を「こなしている」読者は、「どこかで読んだような話だな」というような感想を持ちがちです。しかし、それは一体どこでいつ読んだ話なのか。すぐパッと思い浮かぶのでしょうか。ただ単に、「なんとなく既視感がある」というだけで、そういう感想を持ってしまうのは、自身の体験として、とてももったいないと僕は思います。パクリだオマージュだパスティーシュだなんだと、色々と言葉はありますが、「引用なくして作品は作り得ない」という考えは僕自身も頷ける部分が多いので、引用元を紐解いていく、または、どうして自分がそれを似ていると感じたのかを掘り下げることも有意義なのではないでしょうか。

 ちなみに、僕は読んでいる最中、「エウレカセブン」が頭の中をチラツキました。SFボーイミーツガールという部分とヒロインの設定の一部が、想起させたのでしょう。

 主人公の造形や、「敵」の設定、脇役(?)である、主人公の姉やその夫の科学者、主人公の恋のライバルである探偵など、各キャラも王道っぽさと、著者の手によるひねりが加えられていて、判りやすすぎず掴みにくくも無いバランスになっていて、上手だなと思いました。なので、内容が良い分、あらすじが少し簡潔すぎるかな、とも思いました。ただ、自分の作品の内容紹介って、「自画自賛」みたいな感じがして、あんまり書きすぎると図々しいかな、と思ってしまいますね、僕もそうです。そういう著者の奥ゆかしさも感じられます。

 予想以上に面白かったので、このブログ連載の第一回目に選びました。そして、同じ著者の「ダイヤモンドの戦士」も購入。こちらはきっとシーズン2で感想を書くでしょう。ではまた。

 

ダイヤモンドの戦士

ダイヤモンドの戦士