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Category of Happiness

幸せのカテゴリー

五番街

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 二人でお茶してたら、A美がご機嫌で何やら鼻歌を歌っているので、それ何歌ってんの?って訊いたら、『五番街のマリーへ』って歌で、それ誰の曲?ってなる。

 A美も良く知らないらしいけれど、高橋真梨子?って人の歌で、なんでそんなの歌ってんの?って訊いたら。A美の彼氏が最近それを口ずさんでいるらしい。

  その時は、ふーんって思ったけれど、妙に耳に残ってしまって、A美と別れたあと、気づくと私も口ずさんでいた。

 懐かしいメロディというか、中学生くらいの時の合唱曲みたいな感じで耳なじみも良い。気になっちゃったから、家に帰ってからYouTubeで検索して、歌詞付きの動画を見る。

 


高橋真梨子 【五番街のマリーへ】 - YouTube

 

 いわゆる懐メロっていうか、過去の名曲? みたいなものなのだろうけれど、なんだか歌詞があんまり好きくない。よくいう「女の恋愛は上書き保存、男の恋愛は名前を付けて保存」みたいな感じ。

 昔一緒に暮らしていて悲しい思いをさせた女の人が、今どんな暮らしをしているか気になるけれど、結婚してるならそれで良い、ってなんか凄く嫌。凄く自分に酔っている気がして嫌だし、そんなことをまるで美談みたいに綺麗なメロディに乗せて歌っている意味も分からない。これがフィクションだってのも分かっているし、それに突っ込みを入れてる自分がサムいのも分かってるけれど、嫌なものは嫌なのだ。

  そんなことをA美に言ったら、笑われた。

「いいじゃん? いつまでも自分のこと覚えてくれてるんだよ?」

「そうじゃなくてさ……」私は言葉を探す。「この場合はさ、『いつまでも昔の女性を覚えている自分』に酔ってるというかさ」

「でも、私もたまに思うよ? アイツ今どうしてんのかな、とか」

「うん。でも、そういうのとは違くない?」

「そうだね。ナルシスティックだよね」

 

  私は、ナルシスティックと聞いて、条件反射的にルナティックを思い浮かべてしまう。なんか月の光の下で鏡に映っている自分にウットリしているイメージ。

 

 そういう男の自己満足って、本当に嫌い。気持ち悪い。マリーだってきっと、昔の男に自分が今幸せかどうかなんで気にして欲しくないし、確かに悲しい思いもしたかもしれないけれど、それはそれでもう、どーでもいいというか、そういうのを全て踏まえた上で前を向いて人生を歩んでいるはずだし、そうあって欲しいから、やっぱり私は、この歌の歌詞は好きじゃない。

 

  でも、iPhoneで聴きたいから、今度TSUTAYAで借りてこよう。