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夏の匂い

 どうやら、ようやく梅雨が明けたらしい。僕の髪はくせっ毛なので、湿度の高いこの時期は昔から本当に嫌だった。クリンクリンというか、キューピーちゃんみたいなる。

 ここのところ、涼しい日々が続いていたけれど、これから本格的に暑くなっていくのだろうか。梅雨明けは嬉しいけれど、作業部屋にはエアコンがないので、少し不安だ。

 この時期の、日が沈むか沈まないかくらいの時間帯の匂いが好きだ。僕にとって、この匂いが夏の匂いだと感じる。照りつけていた太陽が弱まって、アスファルトに蓄積した熱の余韻と、ほんのりと湿った空気の匂い。この匂いを嗅ぐと、子供の頃に行った夏祭りの情景が浮かんでくる。あぁ、夏の匂いだな、と思う。

 ちょっと前に書いた長編小説の手直しを最近している。確か初稿はもう去年の10月くらいには上がっていたと思う。その頃はツイッターで『秋の夜長』という掌編を発表していた。この長編の息抜きに書いていたんだった。

 第1章が、ちょうど夏休みの場面なので、読み直すには良い時期だった。物語自体は、とても暗いものだけれど。どうしてこんな物語を書いてしまったのだろうか。思い浮かんでしまったから、外に出した、というだけだろうか。

 

 そういえば、こんな本が出ています。

もの書く人々

もの書く人々

 

ひとはなぜ「書く」のか?

書くひとたちに直撃取材をしたインタビュー&対談集。
アイヌから利己的な遺伝子まで、思わぬほうへ話題が転がっていく。
ものを書くひとびとの情念を感じる一冊。

 

  牛野小雪さんと僕の対談(?)が載っています。牛野さんとは同い年で、実は密かに意識してました。最初は「リレー小説とかどうですか?」というお話だったのですが、僕らは全然作風も違うので(笑)、お互いに様子を見ながら何日かに分けてネット上でお話をしました。お話をしてみると、やっぱり僕らは真逆で、正反対で、でもそれが、とっても面白くて、柄にもなく熱い対談になったと思います。